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呼子線の路盤の現状(2日目〜その1〜)

再び呼子を訪れたのは8月28日、今日はレンタカーを手配してある。ところが前日はサークルの旅行の集合日で長崎での泊りとなっており、解散は朝の9:30となった。早く出てしまう事も可能だったが少々ユックリし過ぎてしまったようだ。長崎は10:00発のかもめ4号で出て佐賀には11:21分着、ここでトレン太君を借りて唐津へと向かう。

しかし佐賀の市内は予想以上に混んでいる。これでは唐津に着くのは14時頃になってしまいそうだ。よりによって今日の「さくら」で東京へ帰らねばならず現地を出るのは17時頃がリミットになってしまいそうだ。これでは時間がない。そんな事だったら前回の調査日にクルマを借りてしまえば良かったのかもしれない。そうすれば朝の9時ごろから使えたし、営業時間いっぱいの8時に返したとしても、博多発の「ドリームにちりん」「ドリームつばめ」にも余裕で間に合ったはずだ。まあブツブツ言っていても時間が戻る訳ではないので黙々と運転することにする。


佐志駅付近の高架橋。部分的に途切れている
部分はもともと造られていなかったのだろうか。
市街地を抜けてもあまりかんばしくない流れの中、何とか13時半には唐津に着いた。唐津から呼子へ向かう国道は204号、市街地をバイパスする区間は真新しい片側2車線の立派なものだ。しかしそれもまもなく突然プツリと途絶えてしまい、細い連絡用の迂回道で西唐津駅付近の204号の旧道へ連絡する。迂回路との分岐部は真っ直ぐに山へ向かっており、その方向がちょうど呼子線の路盤がある方向である。唐津市役所で聞いた路盤の国道化の計画はこのバイパスの延長計画なのだろう

建設された西唐津より先の呼子線のAB線区間は15.6Km。佐志、肥前相賀、肥前湊、屋形石、そして呼子の5駅が設置される予定だった。西唐津を出た呼子線はすぐに第1、第2唐津トンネルを抜け、たあたりが佐志駅の予定地付近である。204号を走っていると左手に高架橋らしきものが見える。これが西唐津以西で初めて見る路盤だ。しかし、よく見ると、途中でブッツリと途切れている。「ここは建設途中なのか。」と思い路盤の近くへ行こうとして、県道切木唐津線の方へ左折すると、山の上から見下ろせる位置に着いた。

第2唐津トンネルから出てきた路盤は緩やかにカーブを描いたところでプツリと途絶えている。上からではなく近くで見たいので、元来た道を引き返して探すのだが、この付近は住宅地の中を高架で抜けており、道に迷ったあげく、結局、国道204号に戻ってしまった。全体の時間が少ないので、ここは帰りに時間があったらもう一度立ち寄る事にして(結局帰りにはその時間はなかった)とりあえず、先に進む事にした。この途絶えているのが元々なのか、壊されたものなのかは近くまで行けなかったので分からなかったが、この先の肥前湊付近の高架橋が壊されていたので、もしかしたら壊されたものかもしれないが、確証はない。

呼子線はこの後、第1、第2唐房トンネルを抜け、鴨川トンネルを抜けたあたりで玄界灘へ向かっってまっすぐ伸びる区間に出る。道路のほうは唐房入り口の交差点を左に曲がり、少々登ったところから、川島令三氏の「幻の鉄路を追う」の表紙を飾っている写真と同じ景色に出会える。その写真は204号から伊万里方面へ抜ける県道23号(唐津呼子線)から撮ったもので、海、空、山へ向かって真っ直ぐ伸びる高架橋は、未成線を象徴するかのようだ。


真っ直ぐに玄界灘へと伸びる高架橋

再び204号に戻り、204号に戻る。唐房入り口の交差点を県道方面に左折するとさっきの景色の地点に出るがこちらへ行ってしまうと呼子には行くが、路盤と沿った道ではないので注意されたい。この先の呼子線の路盤を見るにはこの交差点を右斜め方向の若干下り坂の道に入る。唐房入り口交差点を曲がり、少々行くと海岸線沿いをゆるやかなカーブを描く路盤が現れる。ちょうど路盤の下は幸多里浜海水浴場で 、夏休み最後のレジャーを楽しむ家族連れを多数見かけた。海水浴客の後ろを列車が走る。開業して列車が走ってきたら画になる区間である。玄界灘にしずみ行く夕日を浴びて輝く高架橋をバックになんとも哀愁に満ちた光景であった。


海岸を行く。列車が走ってきたら画になる区間だ。

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